わが子のアトピー体験談

わが子のアトピー改善を目指し、特定の石鹸・洗浄剤による洗浄ケアを試した親の体験談

Tags: アトピー, 子供, スキンケア, 洗浄, 体験談

はじめに

この記事では、わが子のアトピー症状に対して、従来のスキンケアに加え、肌への負担を極力減らすことを目的とした特定の石鹸や洗浄剤を用いた洗浄ケアを試した経験についてお話しさせていただきます。数ある代替療法の中から洗浄方法に着目し、どのような種類の石鹸や洗浄剤を選択し、どのように実践したのか。そして、その結果として子供の肌にどのような変化が見られたのか、親としてどのように感じたのかを率直に記します。同じように洗浄ケアについて検討されている親御さんの、情報収集の一助となれば幸いです。

子供のアトピーの状況と代替療法を試すまでの経緯

わが子のアトピーは、生後数ヶ月の頃から顔や体に湿疹として現れ始めました。乳児湿疹かと思っていた症状が次第に広がり、かゆみも伴うようになったため、皮膚科を受診しました。医師からはアトピー性皮膚炎の診断を受け、保湿剤とステロイド外用剤による治療を開始しました。

処方された薬を使用すると一時的に症状は落ち着くのですが、しばらくするとまたぶり返すということを繰り返していました。特に掻きむしりによる肌の損傷や夜間の不眠が親として見ていて辛く、ステロイド外用剤を長期的に使い続けることへの漠然とした不安も抱くようになりました。インターネットや関連書籍でアトピーに関する情報を調べる中で、保湿や外用剤だけでなく、肌に直接触れる「洗浄」という行為そのものが肌の状態に大きく影響を与える可能性があることを知りました。

市販の一般的なボディソープに含まれる成分が、アトピー性皮膚炎のデリケートな肌には刺激となる場合があるという情報を目にするにつけ、日々の洗浄方法を見直すことに強い関心を抱くようになりました。家族とも相談し、専門医の指導を受けつつも、日常のケアとして洗浄剤の選択に焦点を当てた代替療法を試してみようと決断しました。

試した特定の石鹸・洗浄剤の詳細

私が今回試みたのは、合成界面活性剤や香料、着色料などが無添加とされている特定の種類の固形石鹸を用いた洗浄ケアです。具体的には、動物性油脂を一切使用せず、特定の植物性油脂を主成分とし、昔ながらの製法で時間をかけて作られたとされる石鹸を選びました。商品名は伏せさせていただきますが、インターネットの情報や利用者のレビューを参考に、肌への刺激が少ない、洗浄力が穏やかであるといった特徴を持つものを複数種類試しました。

この洗浄ケアを始めたのは、子供が1歳半の頃です。毎日のお風呂で使用する全身洗浄剤を、従来のベビー用ボディソープから、選定した無添加固形石鹸に切り替えました。試用期間はトータルで約6ヶ月間です。

具体的な方法としては、まず清潔なタオルや泡立てネットを使用し、石鹸をしっかりと泡立てることを徹底しました。子供の肌に直接石鹸をこすりつけることはせず、きめ細かく豊かな泡で、肌を撫でるように優しく洗いました。特に湿疹が出ている部位は、泡を乗せるだけにしたり、手で優しくなで洗いするだけに留めたりするなど、刺激を与えないように細心の注意を払いました。洗い終わった後は、石鹸成分が肌に残らないよう、ぬるま湯で丁寧にすすぐことを心がけました。その後は速やかに保湿剤を塗布するという一連の流れです。

これらの特定の石鹸は、従来のボディソープと比較して、泡立ちがやや劣るものもあり、泡立てに少し手間がかかる場合がありました。また、一般的なドラッグストアでは扱いが少なく、専門のオンラインショップや自然食品店などで探す必要がありました。費用については、従来のベビー用ボディソープと比べて、選んだ石鹸の種類によっては若干高価になるものもありましたが、極端に大きな負担になるほどではありませんでした。親自身の手間としては、情報収集や製品選び、毎日の丁寧な泡立てと洗い方に意識を向ける必要がある点が挙げられます。

実践中の子供の様子と親の観察

特定の固形石鹸による洗浄ケアを始めてからの子供の様子を注意深く観察しました。

開始当初の1週間ほどは、大きな変化は感じられませんでした。洗い上がりは従来の洗浄剤と同様にさっぱりしているものの、乾燥が強くなるようなこともなく、特に問題なく移行できたという印象です。

2週間目頃から、お風呂上がりの肌の赤みが以前よりも少し落ち着いているように見える日が増えてきたことに気がつきました。また、乾燥による粉ふきが少し軽減されたように感じられることもありました。これは、合成界面活性剤による脱脂力が穏やかになったためではないかと、親として推測しました。

しかし、全ての症状が改善したわけではありませんでした。かゆみや掻きむしりの頻度に劇的な変化は見られず、夜間の睡眠に大きな改善は見られませんでした。また、湿疹の炎症が強い時期には、いくら穏やかな石鹸を使っても、洗浄自体が肌への刺激となり、お風呂上がりに赤みが増すということもありました。そのような時は、無理に石鹸を使わず、ぬるま湯のみで洗うなど、臨機応変に対応する必要がありました。

実践中に難しさを感じたのは、子供が成長するにつれて体を洗う際に動くようになるため、優しく丁寧に洗うということが難しくなってきた点です。また、使用する石鹸の種類によって洗い上がりの感触が異なるため、子供のその時の肌の状態に合わせてどの石鹸が良いのか判断に迷うこともありました。常に子供の肌の状態を観察し、肌からのサインを見逃さないように注意深く見守る毎日でした。

結果と効果の評価

約6ヶ月間、特定の無添加固形石鹸による洗浄ケアを続けた結果、子供のアトピー症状に一定の変化が見られました。最も顕著な変化としては、肌全体の乾燥が以前よりも穏やかになり、カサつきや粉ふきが目立ちにくくなった点です。これにより、保湿剤の浸透が良くなったように感じられ、保湿の効果が高まったように思われます。また、洗浄による肌への刺激が減ったためか、お風呂上がりの赤みが比較的早く引くようになったと感じました。

しかし、残念ながら、炎症やかゆみといったアトピーの根幹的な症状が劇的に改善したという結果には繋がりませんでした。掻きむしりの頻度や夜間の睡眠の質に関しては、この洗浄ケアだけでは大きな変化をもたらすことは難しいということを実感しました。

親としての評価としては、肌への負担を減らし、乾燥を軽減するという点においては一定の効果があったと判断しました。これは、洗浄剤選びがアトピーケアにおいて無視できない重要な要素であることを再認識する機会となりました。ただし、アトピー症状の全体的な改善には、洗浄ケア単独では限界があり、従来の皮膚科での治療や、保湿、環境整備など、他の様々なアプローチと組み合わせることが不可欠であるという結論に至りました。

この体験後も、肌に優しいとされる特定の石鹸や洗浄剤の選択は続けていますが、それはあくまで日常の基本的なケアの一部として位置づけ、症状に応じて医師から処方された外用剤を適切に使用すること、そして保湿を徹底することを最も重視するという方針に落ち着きました。

体験を通じて得られたこと・他の親へのメッセージ

特定の石鹸・洗浄剤による洗浄ケアを試したこの体験を通じて、アトピー治療における情報収集の重要性と、それをどう取捨選択し、実践していくかという難しさを改めて痛感しました。様々な代替療法やケア方法に関する情報が溢れる中で、「これさえやれば治る」という特効薬のようなものはなく、子供一人ひとりの肌の状態や体質に合ったケアを見つけるためには、根気強い試行錯誤が必要であるという現実を肌で感じました。

また、どんなに良いとされる方法であっても、万能ではないこと、そして効果には個人差があることを肝に銘じることの大切さを学びました。特定の石鹸による洗浄ケアは、わが子の場合は乾燥にはある程度有効でしたが、炎症やかゆみへの効果は限定的でした。このことから、一つの方法に固執せず、常に冷静な視点を持ち、子供の肌の反応を注意深く観察しながら、柔軟にケア方法を調整していくことの重要性を学びました。

同じように子供のアトピーに悩み、代替療法を検討されている親御さんへのメッセージとしては、「情報を鵜呑みにせず、冷静に、そして希望を持って」ということをお伝えしたいです。気になる情報があれば、まずは信頼できる情報源かを確認し、可能であれば専門家にも相談してみることをお勧めします。そして、何かを試す際には、短期間で劇的な効果を期待しすぎず、子供の肌や全体の様子をじっくりと観察し、合わないと感じたら無理なく中止する勇気も大切です。試行錯誤の過程は時に疲れることもありますが、子供の笑顔のために、親子で一緒に、焦らず一歩ずつ前に進んでいきましょう。

まとめ

わが子のアトピーに対して、肌への優しさを重視した特定の種類の石鹸・洗浄剤を用いた洗浄ケアを試みた体験談をお話しいたしました。このアプローチは、肌の乾燥軽減には一定の効果が見られたものの、アトピー症状全体の抜本的な改善には至りませんでした。

この経験から得られた最も大きな気づきは、アトピーケアには様々な側面からのアプローチが必要であり、一つの方法に過度に期待するのではなく、保湿、外用剤の適切な使用、そして今回試みた洗浄ケアのような日々の丁寧なスキンケア、さらには食事や環境なども含めた多角的な視点から、子供に合った方法を根気強く探求していくことの重要性です。

私たちの体験が、現在進行形でアトピーに悩む他の親御さんにとって、何かしらの気づきや、ご自身のケアを見直すきっかけとなれば幸いです。アトピーとの長い道のりを、共に経験を分かち合いながら乗り越えていくことの助けとなるサイトを目指し、今後も様々な体験談が集まることを願っております。