わが子のアトピー体験談

わが子のアトピー改善を目指し、実践した特定のスキンケア法とその効果

Tags: アトピー, 子供, スキンケア, 体験談, 代替療法

はじめに

この記事では、私たちがわが子のアトピーに対して試みた、特定のスキンケア方法に関する体験談を共有させていただきます。これは、ステロイド外用薬の使用頻度を減らしたいという思いから、独自の考え方に基づき実践したスキンケアの記録です。当時、子供は3歳で、主に体幹や関節裏に赤みと痒みを伴う湿疹が見られる状況でした。この体験談が、同じように子供のアトピーに悩む他の親御さんにとって、何か考えるきっかけや参考情報の一つとなれば幸いです。

子供のアトピーの状況と代替療法を試すまでの経緯

わが子のアトピーは、生後数ヶ月の頃から顔に軽い湿疹として現れ始めました。1歳を迎える頃には体にも広がり、掻きむしりによる炎症や浸出液が見られるようになり、夜間の痒みで眠れないことも増えていきました。皮膚科を受診し、医師の指導のもとステロイド外用薬と保湿剤による治療を続けておりましたが、症状が改善してもしばらくすると再燃することを繰り返しておりました。

この状況に対し、私たちは漠然とした不安を抱くようになりました。ステロイド外用薬の必要性は理解しつつも、長期的な使用に対する懸念や、他に何かできることはないかという思いが募っていきました。様々な情報を集める中で、インターネット上の体験談や書籍で「保湿のしすぎがアトピーを悪化させる場合がある」「肌本来の力を引き出すスキンケア」といった考え方があることを知りました。いわゆる「脱保湿」の考え方に近いものも含まれていましたが、完全に保湿をなくすのではなく、「肌に負担をかけず、必要最低限のケアで済ませる」という独自の解釈に至り、このスキンケア方法を試してみようと考えるようになりました。家族とも十分に話し合い、皮膚科での治療は続けつつ、並行して試行錯誤することを決めました。

試した代替療法の詳細

私たちが実践したのは、具体的には以下のような点に重点を置いたスキンケアです。

まず、石鹸やボディソープの使用頻度を減らしました。それまでは毎日使っていましたが、お湯だけで優しく洗う日を増やし、石鹸を使うのは汚れがひどい時だけとしました。使用する石鹸も、洗浄力が弱く刺激の少ないとされる固形石鹸に変更しました。

次に、保湿剤の見直しです。以前は複数の保湿剤を症状に合わせて使い分けていましたが、成分が非常にシンプルなワセリンベースの保湿剤一本に絞りました。塗る量も、肌がテカテカになるほど厚塗りするのではなく、薄く伸ばして肌表面の乾燥を防ぐ程度に留めました。

入浴に関しては、熱いお湯は避けてぬるめの温度(38℃程度)で短時間済ませるようにしました。また、塩素除去効果のある入浴剤を試しました。入浴後は、肌をゴシゴシ擦るのではなく、柔らかいタオルで優しく水分を吸い取るようにしました。

これらのスキンケアは、決断してからすぐに開始し、約半年間継続して実践しました。毎日の入浴時と朝の着替え時に、この方法を取り入れました。特に石鹸の使用頻度を減らすことや、保湿剤をシンプルにすることは、当初は勇気が必要でした。

これらの実践にかかった費用としては、特別な製品を多数購入したわけではないため、通常のスキンケア用品代と大差ありませんでしたが、塩素除去の入浴剤代が少々上乗せされた程度です。親自身の手間としては、保湿剤の種類を選び直したり、入浴温度を気にするなどの意識の変化は必要でしたが、劇的に負担が増えたということはありませんでした。むしろ、石鹸で全身をしっかり洗う手間が減った分、楽になった側面もありました。

実践中の子供の様子と親の観察

このスキンケアを始めてから、数日間は特に大きな変化は見られませんでした。1〜2週間ほど経った頃から、それまで常に赤みがあった部分の炎症が、少し落ち着いてきたように感じ始めました。特に、関節裏の皮膚のゴワつきが和らぎ、少し柔らかくなってきたように思われました。

しかし、良い変化ばかりではありませんでした。石鹸の使用を減らしたことで、肌表面に皮脂が残りすぎているのではないかと心配になった時期もありました。また、シンプルにした保湿剤だけでは乾燥が十分に防げず、肌がカサつく日もあり、掻きむしりが増えることもありました。特に季節の変わり目や、体調が優れない時には症状が悪化しやすく、このスキンケア方法が本当に合っているのかと戸惑うことも少なくありませんでした。

実践中、私たちが最も意識したのは、子供の肌の状態を毎日細かく観察することでした。赤みの度合い、湿疹の形や大きさ、乾燥具合、掻き傷の有無、そして何より子供自身が痒がっている様子や、睡眠の質などを注意深く見守りました。症状が悪化した際には、躊躇せずに皮膚科で処方されたステロイド外用薬を使用しました。私たちの目標は「脱ステロイド」ではなく、「肌の状態を良く保ちつつ、ステロイドの使用頻度を減らすこと」だったからです。

実践中に難しかった点としては、情報過多の中で自分の判断に自信が持てなくなることが挙げられます。様々な情報に触れるうちに、他の方法にも目移りしたり、このやり方で本当に良いのかと不安になったりしました。そのような時は、一度立ち止まり、子供の肌の今の状態と、私たちが目指したい方向性を再確認することを心がけました。また、子供が痒がっているのに「石鹸を使っていないから仕方ない」と我慢させるようなことはせず、子供の苦痛を取り除くことを最優先としました。

結果と効果の評価

約半年間この特定のスキンケア方法を実践した結果、わが子のアトピー症状には一定の変化が見られました。最も顕著だったのは、日常的な肌の赤みが全体的に落ち着き、肌のバリア機能が少しずつ回復してきたように感じられたことです。以前は少しの刺激で痒みが強くなっていましたが、肌荒れしにくい状態に近づいたように思われました。

この変化は、始めてから約2ヶ月ほど経った頃から徐々に感じられるようになりました。劇的な改善ではありませんでしたが、ゆっくりと、しかし確実に良い方向に向かっているように見えました。私たちの親としての評価基準としては、見た目の赤みの減少、掻きむしる回数の減少、そして夜中に痒みで起きることが減り、まとまって眠れる時間が増えたことなどを重視しました。特に、朝起きたときにパジャマに付着する血痕や肌の掻き傷が減ったことは、親として非常に安心できる変化でした。

ただし、このスキンケア方法だけでアトピーが完治したわけではありません。体調や環境によって症状が不安定になることはあり、その際にはやはり皮膚科で処方されたお薬の力が必要でした。あくまで、従来の治療を補完し、肌の状態を安定させるための一助となった、という評価が適切であると感じています。

約半年間の実践を経て、私たちはこのスキンケア方法を完全に中止するのではなく、基本的な方針として継続していくことを選択しました。ただし、完全に固定化するのではなく、子供の肌の状態や季節に合わせて柔軟に調整していくことの重要性も学びました。

体験を通じて得られたこと・他の親へのメッセージ

この体験を通じて、私たちが最も強く感じたのは、「子供の肌の状態を冷静に観察し、何がその子にとって最適かを常に考えることの重要性」です。アトピー治療には様々な情報があり、特定の治療法やケア方法が良いとされる情報に触れる機会も多いかと思います。しかし、どの情報も鵜呑みにせず、自分の子供の実際の肌の反応を注意深く見て、試行錯誤を重ねることこそが重要だと痛感しました。

また、焦らないことも大切です。アトピーは一朝一夕に改善するものではなく、波があることを受け入れ、長い目で向き合っていく姿勢が必要だと学びました。症状が悪化した時に落ち込むこともありましたが、子供の前ではなるべく平静を装い、共に乗り越えていくという気持ちでいることが、親自身の精神衛生上も良い影響を与えたように思います。

同じように子供のアトピーに悩み、代替療法や新しいケア方法を検討されている親御さんへお伝えしたいのは、まず「情報収集は大切ですが、情報の全てが自分の子に当てはまるわけではない」という点です。そして、「試す際には、期間を決める、効果が出ない・悪化した場合は中止する、必要であれば医療機関と連携する」といった、冷静な判断基準を持つことが非常に重要であるということです。また、親御さん自身が心身共に健康であることも、子供のケアを続ける上で欠かせません。無理せず、時には休息を取りながら、お子さんと向き合ってください。

まとめ

この記事では、私たちが子供のアトピーに対して約半年間実践した、特定のスキンケア方法に関する体験談を述べさせていただきました。石鹸の使用頻度を減らし、シンプルな保湿を心がけるというこの方法によって、わが子の肌の状態は穏やかに改善に向かいました。しかし、これはあくまで私たちの子供に合っていた一つの例であり、全てのお子様に同様の効果があるわけではありません。

アトピー治療の道のりは長く、試行錯誤の連続です。様々な情報に触れ、自分に合った方法を探す中で、この体験談が皆様にとって、ご自身の状況を考える上で少しでも参考となる部分があれば幸いです。私たちは、これからも子供の肌の状態を見守りながら、最適なケアを続けていきたいと考えております。